第64回日本実験動物学会総会

大会長挨拶 〜第64回総会の開催にあたって

大和田先生



大会長 大和田一雄
一般財団法人ふくしま医療機器産業推進機構


 このたび第64回日本実験動物学会総会(学術大会)を担当させていただくこととなりました。会期は平成29年5月25日(木)〜27日(土)、会場はビッグパレットふくしま(福島県郡山市)で開催させていただきます。伝統ある本学会総会をお引き受けするにあたり、一言ご挨拶申し上げます。
 あの2011年3月11日の大震災から早くも6年が経過しようとしています。ともすると風化しがちな世情のなか、被災地では復旧・復興に向けて多くの事業が展開されています。「フクシマ」では地震や津波の災害に加え、原発禍も加わり、その復興には多くの年月を要することが予想されています。
 その様な背景をふまえ、ライフサイエンスの基盤研究や基盤技術の開発を担う科学者集団からのメッセージとして、メインテーマを「ライフサイエンスが復興を促進する」とさせていただきました。会員の皆様にはこの思いにご共感いただき、できるだけ多くの皆様にフクシマの地に足を運んでいただきますようお願い申し上げます。
 上記の趣旨にのっとり、基調講演、特別講演、教育講演、シンポジウム、セミナー、ワークショップ、スポンサードセミナー、機器展示会、市民公開講座など、多様な企画を準備しております。詳細は、企画委員会で検討中ですが、内容が確定次第、順次公開させていただきます。

 ご存じの様に、ふくしまは医療機器産業のメッカでもあります。また、薬機法の中に医療機器が取り込まれたこともあり、今大会では、医療機器開発、医工学研究、等をテーマとして取り上げ、基礎研究から安全性評価、臨床への橋渡しという観点から、種々議論を深めていただければと考えています。併せて、この分野で使用が必須と考えられる実験用「ブタ」についてもあらためて焦点をあててみたいと考えています。
 今回の会場は、参加者の皆様はもとより器材展示の企業の皆様にも十分にご満足いただける広い展示場が併設されております。例年通り、実験動物器材協議会のご支援の下、器材展示会を開催する予定ですが、器材展示会場には出展企業の皆様のプレゼンテーションステージも用意しておりますので、ご出展をお考えの企業や団体の皆様は奮ってご準備をお願い致します。我が国の実験動物業界が今日あるのは、アカデミアはもとより、器材、動物、飼料、また実験動物ユーザーなど、関連の企業の皆様の連携とご尽力の賜物と考えておりますので、参加者と企業の皆様が至近距離で交流できる場を提供すべく万全の準備を整えてお待ち申し上げております。
 郡山は、東京から77分と交通至便な場所にありますが、一歩足を踏み入れると、猪苗代湖や会津、裏磐梯など、多くの観光名所があり、またおいしいお酒にも事欠きません。
是非、福島の地に足を運んでいただき、現在の「ふくしま」を体感していただければ幸いに存じます。